国指定史跡に登山できる!『利神城ガイドツアー』とは?

利神城ガイドツアー(佐用山城ガイド協会)

旧因幡街道に面した宿場町として、近年、徐々に人気を博してきている兵庫県佐用町平福地区。

この平福地区を見上げたところにあるのが、別名・雲突城とも呼ばれる「利神城」です。

今回は、山城ファンや歴史好きから人気の高い『利神城ガイドツアー』についてご紹介していきます!

目次

『利神城ガイドツアー』とは?

平成29年10月に国指定史跡となった「利神城跡」。

石垣や登山道崩落などの危険性を考慮して、普段は入山が禁止されているこの「利神城跡」ですが、数多くいる山城ファンからの要望などもあり実現したのが、『利神城ガイドツアー』です。

このガイドツアーは、佐用町より特別に入山許可を得た「佐用山城ガイド協会」が主催しており、月に1〜2回程度、各回定員20名、参加費3,000円(お弁当付)で開催されます。

佐用山城ガイド協会とは

佐用山城ガイド協会

戦国時代のことですが、歴史好きで知らない方はいない「上月合戦(上月の戦い)」は、佐用町の上月城を戦場としたものであり、佐用町(旧上月町)近郊は、東の織田軍(尼子氏)と西の毛利軍とが、睨みを効かせていた最前線だったのです。

そのため、今でも佐用町には50ヶ所を超える城跡が残っており、歴史ファンや山城ファンには堪らない観光スポットとなっています。

「佐用山城ガイド協会」は、佐用町内外に存在していた山城をガイドすることを目的とした団体であり、コロナ禍に入る少し前に発足されました。

利神城(雲突城)の歴史

利神城(雲突城)

利神城の歴史は1349年、南北朝時代に遡ります。当時、播磨国を統治していたのは赤松氏であり、同一族の別所敦範が、赤松氏の居城・白旗城の北側の守りとして築城をしました。

嘉吉の乱(1441年)での赤松氏滅亡に伴い、一時は幕府に没収されますが、築城から200年近くの間、別所氏がこの山城を所有します。

戦国時代に入ると、織田軍・羽柴秀吉による中国攻め(1578年)が起こります。三木城主であり、別所家本筋の別所長治は、第一次上月城の戦い(1578年)では織田軍に臣従していました。

織田軍の上月攻略に協力した形にはなりますが、実際は、織田軍をあまりよく思っていなかったとも言われ、その後離反して毛利軍側に寝返りました。当時の利神城主・別所林治は、本筋・別所長治に従っていたために、同様に毛利軍側につきます。

その後、織田軍勢の大半が別所長治のいる三木城攻略に進軍。これに伴い手薄となった上月城に毛利軍が進軍し、上月城を陥落させます(第二次上月城の戦い)。これにより、佐用町近郊は毛利軍が支配することにより、宇喜多直家が所有することに。(その後、宇喜多氏は羽柴側に寝返る)

関ヶ原の合戦(1600年)の後には、池田輝政の甥・由之(よしゆき)が平福の領主となり利神城を大改修しますが、池田輝政の命により、改修後すぐに壊すことになりました。

この命を発した背景には、非常に良くできたお城であったがゆえに「一国一城令を出した幕府からの警戒を恐れた」ことなどがあったのではと推測されています。

『利神城ガイドツアー』登山体験レポート

道の駅 宿場町 ひらふく

道の駅 宿場町ひらふく 集合

9:30〜「道の駅 宿場町ひらふく」左側の建物にて受付開始。
佐用山城ガイド協会のスタッフがいるので、名前の確認と参加費の支払いを行い、お昼のお弁当をもらいます。

【電車でのアクセス】
9:17佐用駅発の智頭線に乗車し、9:22平福駅に到着。駅からは徒歩2分程度。

【車でのアクセス】
中国自動車道佐用ICから北へ3分程度。普通車55台、大型車5台分の駐車場があります。

佐用町・道の駅 宿場町ひらふく前
旧因幡街道 宿場町平福の街並み

ツアー開始

10:00。旧因幡街道の宿場町を通りながら、1枚目の写真奥に見える利神山へと向かいます。利神山頂上に石垣が見えると思いますが、これがガイドツアーの目的地・利神城です。

ちなみに、佐用町は朝霧がよく出る地形なのですが、標高373mある利神山も、この朝霧に包まれることが多々あります。

この光景が「雲を突くかのようなお城」であったため、古くから「雲突城」という別名で呼ばれるようになりました。

秋頃であれば、「NIPPONIA 平福宿場町」など、平福地区にある宿泊施設に泊まることで、朝霧に包まれる幻想的な利神城を目の当たりにできるかもしれません。

佐用町の宿泊施設まとめ

利神山の石切場跡
利神山から眺める宿場町平福

利神山入山

利神山に入山すると、すぐに「宿場町平福の綺麗な街並み」が現れます。写真では伝わりづらいかもしれませんが、私は「川の水の透明度」にも驚愕しました。

入山後は、参加者のペースに合わせて適宜休憩を取りながら、1時間半〜2時間程度かけて、利神城の頂上を目指します。

佐用山城ガイド協会スタッフ
利神山を登山するツアー参加者

スタッフによるガイドと登山道

こちらの写真は、ガイドスタッフが石切場の説明をしている写真です。この他にもいくつか見所があるのですが、各所でスタッフによる説明があります。

当時の歴史を下調べした上でツアーに臨むと、より楽しく登山できるかもしれません。

また登山道に関しては、できる限り当時の様子を残すよう整備されているため、山城ファンの方は存分に楽しめるのではないかと思います。

ただし「整備されすぎていない=危険」でもあるので、登山初心者の方などは、気を抜かずに真剣に登るように注意した方が良いです。

利神城跡
利神城跡から見下ろす佐用町

利神城跡到着・昼食

利神城跡に到着。受付でいただいたお弁当を食べながら、自由時間を過ごせます。

利神城の頂上からは、南北東西をどこまでも見渡すことができ、「何故ここに山城が建てられたか」がとてもよく理解できました。

上月城跡までは少し離れているので見えませんが、福原城跡付近まではご自身の目でしっかりと確認できますよ。

ぜひガイドスタッフを捕まえて、気になることを聞いてみてください。

利神山を下山するツアー参加者
甲冑体験をするツアー参加者(平福駅)

下山・解散

利神城跡を十分に満喫できれば、下山をしていきます。

登ってきた道を下っていきますが、落ち葉などで滑りやすくい箇所もあるので、ゆっくりと時間をかけ、十分に注意しながら下山しました。

下山できれば、平福駅にて解散となります。

天候や登山・下山の所要時間などにもよりますが、運が良ければ抽選で甲冑体験ができることも。

『利神城ガイドツアー』で国指定史跡に登山してみては?

『利神城ガイドツアー』では、参加費3,000円(お弁当付き)で、国指定史跡・利神城に登山することができます。

山城ファン、歴史好きの方など、ご興味のある方はぜひ一度登山してみてはいかがでしょうか?

利神城ガイドツアー(佐用山城ガイド協会)

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