【同志社大学×佐用町】学生企画のクラフトビールが醸造開始!今年9月に誕生へ

2025年8月3日。兵庫県佐用町で育まれた「いちご(光月いちご園)」と「栗(佐用町江川地区)」が、新たなかたちで日の目を見る日がやってきました。

同志社大学の学生たちが、地元の素材を使ってクラフトビールを開発。その名も「宙ノ実(ソラノミノリ)」。姫路市の「イーグレブルワリー」での醸造が始まり、発売は9月21日を予定しています。

「学生がクラフトビール?」と驚かれるかもしれません。でもこのプロジェクトは、ただの“面白企画”ではありません。中小企業や地域経済のリアルと向き合ってきたゼミ生たちが、「佐用の未来にとって意味のあるプロダクトとは?」を本気で考え抜いた、挑戦の一杯なのです。

目次

なぜ同志社大学生が佐用町のクラフトビール開発を?

このプロジェクトを手がけているのは、同志社大学商学部・関智宏教授が率いる「関ゼミ」の学生たち。
ゼミでは、日本の企業の99.7%を占める中小企業の現状や、その発展に必要な“アントレプレナーシップ(=企業家精神、価値創造の力)”を学んでいます。

「地域の産業には、規模だけでは測れない魅力や可能性がある」。

そんな考えのもと、関ゼミでは“現場に飛び込む”フィールドワークを重視しており、2025年3月26日から3日間、学生約20名が兵庫県佐用町を訪れました。

地域を知り、素材と出会った3日間

滞在中、学生たちは町内のさまざまな事業者を訪問。

光月いちご園、江川地域づくり協議会、味わいの里三日月、道の駅宿場町ひらふく、ホルモン・鉄板焼ふじ、NIPPONIA平福宿場町、藤東孝幸ぶどう園、盛本牧場、西はりま天文台、贈り物の重田。

また、佐用町副町長や観光協会会長、商工会青年部員、町役場職員との意見交換。農業から観光、飲食、小売まで、多様な現場を自分たちの目で見て、耳で聞き、肌で感じる日々となりました。

地域で働く人の思い、抱える課題、事業の個性。そうした“リアル”と触れ合う中で、「佐用町をもっと多くの人に届けたい」という想いが強まり、クラフトビールというかたちで動き出します。

クラフトビール開発に向けた企画立案&プレゼンコンペ

出典:【同志社大学商学部】関ゼミ7期生 Instagram

佐用での学びをもとに、学生たちは3チームに分かれて商品企画に挑戦。「誰に届ける?」「価格帯は?」「どんな味?」「ラベルに込める想いは?」——議論を重ねながら、佐用町の魅力をどう商品に落とし込むか、真剣な企画づくりが続きました。

ゼミ生たちはそれぞれのチームで、佐用町の特性や観光資源、ターゲット層を徹底的に分析。どのような人に届けたいのか、価格はどれくらいが適切か、味やスタイルは? そして、ラベルデザインにはどんな想いを込めるか。議論を重ねながら商品企画を練り上げていきました。

引用:【同志社大学商学部】関ゼミ7期生 Instgram

そして5月22日。3チームによるプレゼンコンペが開催され、「イーグレブルワリー(姫路市)」や「クラフトビール酒場 フジイロック(大阪市)」の審査協力のもと、最終案が選ばれます。

選ばれたのは、「いちご×栗」のクラフトビールという提案。地域の味を“甘くて、やさしいビール”に仕上げる構想が高く評価されました。

姫路市「イーグレブルワリー」での仕込み開始

醸造を担うのは、姫路市のクラフトビールメーカー「イーグレブルワリー」。各地のビアバーから厚い信頼を集める実力派で、ホップの苦味とフルーティーな香りが調和した「Egret IPA」をはじめ、ビールが苦手な方にも人気の「Magic Hour」や「Rainbow Shot」などを手がけ、全国に多くのファンを持っています。

8月3日、そんなイーグレブルワリーにて、学生たちが立ち会う中、いちごと栗を使ったビールの仕込みがスタートしました。

この日は、光月いちご園のいちごをピューレに加工する工程や、麦芽・ホップの仕込み作業などを学生自身が体験。原料の香りに包まれながら、佐用町で出会った素材が“飲めるかたち”へと変わっていく過程を目の当たりにしました。

クラフトビール「宙ノ実(ソラノミノリ)」とは?

今回のクラフトビールの名前は「宙ノ実(ソラノミノリ)」。“星降るまち”として知られる佐用町の風土と、そこに暮らす人々の想いを込めた一杯です。

「宙ノ実」は、星降る町・佐用のやさしさをぎゅっと詰め込んだ一杯です。
満天の星空の下で暮らす人々の想いが実りますように──
そんな願いを込めて名づけました。

同志社大学商学部関ゼミ7期生

味のイメージは「いちごモンブラン」。
新鮮ないちごの甘酸っぱさと、栗を思わせるまろやかなコクが重なり合い、心和むようなやさしい余韻が広がります。

いちごの自然なピンク色がグラスを彩り、栗のほっこりした風味が“佐用らしい実家感”を演出。
アルコール度数は5%、ベースはブラウンエールを基調に、ホップは控えめでやわらかな口当たりに仕上げています。

なお、栗を使った商品はこれまで佐用町でもあまり例がなく、「江川地区の栗の魅力をもっと多くの人に伝えたい」という想いも、開発の原動力になりました。

発売情報と今後の展望

クラフトビール「宙ノ実」は、2025年9月下旬より発売予定。

佐用町内では「贈り物の重田」での取り扱いが決定しているほか、同時期に三宮センター街でポップアップストアも展開されます。また、大阪市の「クラフトビール酒場 フジイロック」でも提供予定です。

現在、取り扱い希望の店舗も募集中。興味のある方は、関ゼミ7期生のInstagram(@seki_seminar.7)または当メディアまで、お気軽にお問い合わせください。

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