今夏、佐用町のひまわりの種を活用したクラフトコーラ「ひまわりコーラ」を提供いただいた赤穂市のカフェ「BOB CAFE」。
レトロな店内とスパイスの効いたカレーが評判のこのカフェは、店主・上山笑由(えみゆ)さんが18歳の頃から夢見てきた場所です。
どんな思いでお店を始めたのか。なぜ「手間暇をかける」ことにこだわるのか。カフェのこと、旅のこと、そして「ひまわりコーラ」のことまで、お話を伺いました。

BOB CAFE 上山笑由さんのプロフィール

上山 笑由(うえやま えみゆ)
1998年6月23日生まれ
兵庫県赤穂市出身。
赤穂高校卒業後、大阪のカフェに勤務。20歳で地元に戻り、半年間のバイク旅を経てカフェ開業を志す。21歳で物件を購入し、家族や友人とDIYで改装。2021年8月、レトロカフェ「BOB CAFE」をオープン。スパイスカレーと手づくりスイーツが人気。
「カフェがしたい」は高校生のころから

——BOB CAFEができるまでのこと、聞かせてもらっていいですか?
えみゆ:
18歳のころから「やりたいな〜」って思ってたんです。できるだけ早くしたかったので、高校を卒業して大阪に出て、「standard book store」っていうカフェで働きました。本とコーヒーが一緒にあるようなすごく素敵なお店で。あそこで働いたことで、余計に「やりたい」って思いが強くなったというか。
——その後、赤穂に戻ってこられて。
えみゆ:
そうですね。20歳の時に帰ってきてからは、一旦、半年くらいバイクで日本を旅してました。北海道に3ヶ月くらいいて、宗谷岬の近くに第二の拠点みたいなのも作って。「旅人村(ダビットソン)」って言うんですが(笑)。
ここで出会った人たちに「モーニング出してみたら?」って声をかけてもらって、「えみゆカフェ」って名前で小さくお店みたいなこともしてました。
——すごい行動力(笑)。この時点でカフェ経験値高めですね。
えみゆ:
いやいや(笑)
でも、「お店やりたい」って話すと、誰かがちょっとずつ背中を押してくれるというか。そういう人にいっぱい出会えたのはありがたかったですね。
古民家をDIY。みんなで塗った壁と、お父さんが作ったカウンター

——BOB CAFEの建物、雰囲気がすごく素敵ですよね。DIYで作られたんでしたっけ?
えみゆ:
そうなんです。旅の途中に両親から「いい物件見つけたぞ」って連絡がきて。ちょうど21歳のときで、即決で「帰る!」って(笑)
そこから2年間くらい、ずーっとバイトしながら改装してました。基礎部分だけプロの大工さんにお願いして、壁とか床とかは全部自分たちで。
——あの壁の塗りムラも、味ですよね。
えみゆ:
あれは、みんなで塗ったからなんです。友だちとか、今の常連さんとか。お父さんはカウンターを作ってくれました。あと、欅と古いミシンをくっつけて作ったテーブルとか、骨董市で集めた家具とか、いろいろミックスしてる感じです。
——“完成した空間”じゃなくて、“育ってる空間”って感じがします。
えみゆ:
そう言ってもらえるとうれしいです。今も少しずつ変えていってて、来るたびに「あれ変わってる〜」って気づいてもらえるのも楽しくて。
スパイスカレーに、タコライス…。全部「手間をかけたくて」

——BOB CAFEといえば、カレー美味しいですよね!やっぱりよく出る?
えみゆ:
はい、スパイスチキンカレーがいちばん人気です。いろんなスパイスを調合して、鶏肉はほろほろになるまでじっくり煮込んで。初めて来てくださる方は、まずはカレーから頼まれることが多いですね。
——あとは、タコライスとか、ロコモコ、唐揚げなんかもあるんでしたっけ?
えみゆ:
そうです。常連さんとかスタッフはタコライスがイチオシだという人もいます。
「ちゃんと手間をかけたものだけを出したい」って思ってるので、ロコモコだとか唐揚げだとかはそれぞれ5食限定で、唐揚げは13時までなんですけど。

——そういう想い、いいなぁ。開業時からずっとその心掛けなんですか?
えみゆ:
そうですね。大阪で働いていた standard book store で「1日3食しかない食事だから、ちゃんと作ろう」って考えが徹底されていたんです。私もこの考えに共感していたので、このお店で働いていたんですけど。
なので、開業時からずっと、「手間暇かけて、美味しい食べ物・飲み物を提供しよう!」と思ってます。
——そんな中に「ひまわりコーラ」を入れてもらって恐縮です。。ありがとうございます。
えみゆ:
いえいえ、ちょうど「クラフトコーラいいかもなぁ」って思っていたタイミングだったんです。試飲させてもらった時に、スタッフの子からも好評だったので、メニューに入れさせてもらいました。あと、ひまわりが好きなので「ひまわりコーラ」というネーミングも良かったですね(笑)。

ゆっくりとした時間をBOB CAFEで。

——というか、めちゃくちゃお店広いですよね。何席あるんですか?
えみゆ:
何席あるのか把握できていないですが、たくさんあります(笑)。
元々は店内だけだったんですけど、2年目から外にも座席を作って。
——ちなみにあの大きな椅子は何なんですか?(笑)
えみゆ:
あれ、良いと思いませんか?家具屋さんにもらったんです。
カップルさんがよくあそこで写真を撮ってくれてます。
あと、大きな椅子に加えて、テラス席から見える景色にも着目してもらいたいです。壮大な牧草が北海道っぽくて、個人的にはこのテラス席が好きなんです。
「北海道に来ました」って写真を上げても、気付かれないんじゃないかなとも思います。(笑)
——確かに、ぼーっとしたり、静かに仕事したりするのにちょうどいいかもしれないですね。
えみゆ:
ゆっくりしてもらえる時間、大事にしてます。
音楽もちょっと静かめで、あえてあんまり作り込んでないというか、空気に任せてる感じです。
おわりに
BOB CAFEには、作り手の温度と、ゆっくり流れる時間があります。えみゆさんの話し方、笑い方、お店の隅々まで「いい感じに力が抜けてて、ちゃんとしている」。
そんな人がつくった場所に行きたくなるのは、当たり前のことかもしれません。赤穂を訪れたら、ぜひBOB CAFEへ足を運んでみてください!



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