“LIUBを通じて自閉症への理解を” 佐用町出身・山﨑山さんにインタビュー

2024年4月2日、自閉症についての認知を深めるため世界各地で開かれている「Light It Up Blue(=LIUB)」が、佐用町にて初めて開催されました。

同イベントを主宰したのは、佐用町出身で「LIUB HIMEJI」の中心人物でもある山﨑山(やまさき たかし)さん。

今回の記事では、LIUB SAYO 主宰の山﨑さんにお話を伺いました。

目次

Light It Up Blue SAYO 主宰・山﨑山さんのプロフィール

山﨑 山(やまさき たかし)

1971年4月9日生まれ。佐用町長尾出身。
佐用高校卒業後、町内のゴルフ場等で勤務した後、母親が大怪我したことをきっかけに介護・福祉業界に興味を持ち、2013年ごろから福祉業界に従事。姫路市内の障害福祉事業所に約20年勤める。2023年4月からは、高砂市北浜町にある就労継続支援B型事業所「ピカソに絵筆を」に従事している。

一般社団法人あうんHP

ピカソに絵筆を Facebook

山﨑さんが携わる『Light It Up Blue』とは。

出典:NPO法人あっとオーティズム 公式サイト
重田

世界各地で開かれているようですが、そもそも『Light It Up Blue』とはどんなイベントなのですか?

山﨑さん

“自閉症” について知ってもらう、自閉症啓発をするためのライトアップイベントです!
ニューヨークの自閉症支援団体「Autism Speaks」が2010年に始めて、2015年から姫路(LIUB HIMEJI)でも開催されるようになりました。

重田

山﨑さんは2015年から LIUB HIMEJI に関わっておられるのですか?

山﨑さん

実はそうではないんです。(笑)
初めは知り合いたちが LIUB HIMEJI を立ち上げまして、私は一般参加者として参加していました。
それが開催2,3年目くらいの時に、前触れもなく「山﨑さん、次の実行委員会は○日開催ね!」と声をかけられまして。(笑)

重田

いつの間にかスタッフになられていたんですね。(笑)

山﨑さん

そうです。(笑)
ただ自閉症啓発に対する想いは前々からあったので、今でも変わらず古参スタッフの1人として LIUB HIMEJI に関わっています。
ありがたいことに今年の10周年記念シンポジウムでは、シンポジストとしても登壇させていただきました。

重田

シンポジストにまで!
ちなみに、なぜ “ブルー” ライトアップなのですか?

山﨑さん

青色は「癒しの色」と言われているんです!
いろいろな人が癒される色ですし、もちろん「自閉症の人が安心する色」とも言われていますので、4月2日は青色でライトアップされています。
ちなみに LIUB HIMEJI で開催されるステージイベントやパレードの際には、来場者の大半に青色のものを身につけて集まってもらっています。

そもそも「自閉症」って?

山﨑さん

自閉症は、社会性やコミュニケーション、創造性などに困難を感じる発達障害のことです。

重田

具体的にはどんな症状が挙げられますか?

山﨑さん

例えば、人がどう思うかが考えづらかったり、場面に応じた行動がしづらかったり。人がどう思うか考えづらいので、空気が読めないと言われることも多くあります。
あと重田さん、ふだんから挨拶ってすると思うんですけど、なんで挨拶するのかってわかります??

重田

なんで…?
考えたことないですね。。

山﨑さん

ですよね。考えてみるとなぜ挨拶をするかって難しいんですけど、私たちは何も考えずに当たり前に挨拶してるんですよね。
でも社会性に難を抱える自閉症の方は、なぜ挨拶をするのかが分かり難いので、挨拶ができなかったりする。でも挨拶をすると相手が喜ぶみたいに、理由が分かれば挨拶できるようになることもあるんです。

重田

なるほど。意味・目的を理解したいということですね。

山﨑さん

はい。あとは決まったことは確実にやりたいというのも特徴の一つかなと思います。
私が勤務している『ピカソに絵筆を』では、今は姫路レザーを使ったレザークラフトを作っているのですが、スケジュールや手順をきちんと組み立てておけば、安心して間違いなく、正確な作業ができたり。

重田

なるほど。

山﨑さん

タイプはさまざまなのですが、天才って言われる人だとかちょっと変わっているなって人は、自閉的傾向があることが多いです。有名どころで言えば、ビルゲイツだとかピカソだとか。

重田

なるほど!だから『ピカソに絵筆を』ですか。

山﨑さん

そうなんです。
ピカソはすごい変わった人と言われていたんですが、絵筆に出会い自分の力を発揮できるようになったそうです。誰しも何かしらに秀でている部分があるので、ピカソのようになってほしいという願いを込めて『ピカソに絵筆を』という事業所名になっています。

佐用の守り木が青く照らされた『Light It Up Blue SAYO』

左から山﨑山さん、観光大使・谷本賢一郎さん、北村広樹さん
重田

では、ここからは今年(2024年)開催された佐用町でのLIUBについてお聞かせください。
まずはライトアップの場所についてですが、最初から大イチョウをライトアップする予定だったのですか?

山﨑さん

いえ、実はライトアップする場所が全然決まらなかったんです。。
「今年は無理かなぁ」と思っていたら、幼馴染の北村広樹くんが千種和英さんに相談してくれて。するとすぐに「大イチョウじゃダメなの?」と千種さんが提案してくださり、諸々話を進めてくださって…。

重田

大イチョウ、山﨑さんから打診したわけではなかったんですね!

山﨑さん

はい違います。千種さんです。
佐用町の守り木ですし、最初に話をいただいた時は「大イチョウ青くしていいの⁉︎」と戸惑いました!(笑)
小さい頃よく遊んでいた場所ですし、佐用の歴史そのものですし。

重田

御神木みたいなものですしね(笑)

山﨑さん

はい(笑)
でもあの場所をライトアップできたことは本当に嬉しいです!
ひっそり佇んでいて人が集まることは少ないですけど、今回のライトアップで新しい価値を芽吹くことができたんじゃないかなと。
来年もやります!

“佐用町でこそLIUBを開催したい”。山﨑さんの想い

重田

では続いて、どういう経緯で佐用町で開催することになったのですか?

山﨑さん

もともと佐用町でLIUBを開催したいとは思っていたんです。ただ開催するきっかけが全然なくて。
そんな時に、北村広樹くんが佐用町での開催を後押ししてくれて、佐用町でのライトアップが実現しました!

重田

なるほど。佐用町で開催したかった理由は?

山﨑さん

自閉症について、もっと小さな町の方に知ってもらいたかったんです。
佐用町は地元でもあり小さい町でもあるので、より思い入れが強かったというか。

重田

啓発なら人口の多い大きな町で開催した方がメリットが大きいと思うのですがなぜ小さな町…?

山﨑さん

自閉症の理解ってあまり進んでいないんですよ。だから、自閉症の方は姫路くらいの規模の町でも困ることがたくさんあるんです。学校どうするの?卒業後どうするの?とか。
じゃあ、姫路よりも規模の小さい佐用町に住むとどうなると思いますか?

重田

もっと暮らしにくくなりますかね…

山﨑さん

そのとおりです。
障害を持つ子自身もそうですし、ご家族も困ることがすごく多いんです。小さな町で生活できずに引っ越してしまうなんて話も頻繁に聞きます。
私は、”自閉症の子たちが不自由なく生活できる町を作りたい” という想いがあったので、自閉症を認知してもらうためのLIUBを、まずは佐用町で開催したかったんです!

重田

確かに言われてみると、自閉症ってあまり知らないです。。

山﨑さん

そうですよね。
だから綺麗なライトアップを見に来てもらって、「自閉症って何なんだろう?」と思ってくれる人が少しでもいてくれれば良いなと!
あくまでも自閉症を知ってもらうためのきっかけとしてLIUBがある感じですかね。

重田

なるほど、きっかけですか。
であれば、町内各所でライトアップができるとより良いですね!

山﨑さん

できるのであれば、いろんなところでライトアップしたいですね!

重田

来年は大イチョウだけでなく佐用商店街全体を青くしましょう!(笑)

福祉啓発×地域振興で佐用町を暮らしやすい街にする

重田

最後に、自閉症やLIUB、佐用町に対する想いをお願いします。

山﨑さん

漢字も良くないんですけど、「自閉症」ってマイナスなイメージが持たれがちです。でも実は、自閉症の方ってオープンな方が多いんです。このことを多くの人に知ってもらいたい。
それで言うと、ライトアップは観光コンテンツにもなるので、LIUBが福祉啓発と地域振興とを促進する手段になると思っています。
なので今後も佐用町でLIUBを開催し続けて、佐用町の認知度を上げながら、自閉症や、その他いろんな障害を持った人達が暮らしやすい街になってくれればなと思います。

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